広尾プライム皮膚科

 
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なぜ毛穴が詰まるの?角栓ができる根本原因と過剰な皮脂・角質肥厚のメカニズム

毎日どれだけ丁寧にクレンジングや洗顔をしても、気づけばポツポツと現れる毛穴の詰まり。

毛穴をすっきりさせたくて、はがすタイプの毛穴パックを試したり指で角栓を押し出したりしたくなる気持ち、とてもよく分かります。しかし、その場しのぎの対策では毛穴の詰まりを根本から解決することはできません。「なぜ詰まるのか」というお肌のメカニズムを正しく知ることが、美肌を目指すための重要なステップです。

今回は、毛穴詰まりの主原因である「角栓(かくせん)」ができる理由と、その背景にあるお肌の仕組みを専門医の視点から分かりやすく解説します。

監修医師:谷 祐子先生(広尾プライム皮膚科 院長 形成外科専門医)

毛穴が詰まる主原因「角栓」ができる2つの根本原因

毛穴が詰まって目立ってしまう主な原因は、毛穴の中で生まれる「角栓(かくせん)」です。

毛穴を塞ぐ角栓は、過剰に分泌された「皮脂」と剥がれ落ちずに蓄積した「古い角質(タンパク質)」の2つが混ざり合うことで発生します。

「角栓=あぶらの塊」と思われがちですが、実はその成分の約70%はケラチンを主成分とするタンパク質(古い角質)で、残りの約30%が脂質(皮脂)です。そのため、単に皮脂を洗い流すだけのスキンケアでは角栓の悩みは解消されません。

この角栓が作られる背景には、お肌の2つの異常が深く関係しています。

原因1:過剰な皮脂分泌(あぶらの出しすぎ)

本来、皮脂は肌の水分を閉じ込め、外部の刺激から守ってくれる「天然の保湿クリーム」としての役割を持っています。しかし、何らかの理由で皮脂が必要以上に分泌されてしまうと、排出しきれなかった皮脂が毛穴の出口に溜まってしまいます。

皮脂が過剰に分泌されてしまう主な理由は以下の通りです。

  • ホルモンバランスの乱れ

ストレスや睡眠不足、生理周期などによって皮脂腺を刺激するホルモンが優位になります。

  • 肌の乾燥(インナードライ)

 肌の水分量が不足すると、肌は自衛のために「これ以上水分を逃がさないように」と、かえって大量の皮脂を分泌してしまいます。

  • 食生活の乱れ

 糖質や脂質の多い食事は、血糖値の急上昇(スパイク)を引き起こし、皮脂の分泌を促進するインスリンや男性ホルモンの過剰分泌を招きます 

原因2:角質肥厚(古い角質が厚く積み重なること)

もう一つの大きな原因が、お肌の生まれ変わりである「ターンオーバー」の乱れです。

健康な肌であれば、古くなった角質(皮膚の表面の細胞)は自然と剥がれ落ちます。しかし、紫外線ダメージ、乾燥、加齢、あるいは間違ったスキンケア(こすりすぎ等)によって肌がダメージを受けると、ターンオーバーのサイクルが乱れてしまいます。

すると、本来は剥がれ落ちるはずの古い角質が肌の表面や毛穴に蓄積し、厚く積み重なっていきます。これを「角質肥厚(かくしつひこう)」と呼びます。

この硬くなった古い角質が、出口に向かう皮脂と毛穴の中で混ざり合い、塊になることで「角栓」が完成してしまうのです。

正しい解決へのロードマップ:メカニズムに基づいた「2つのアプローチ」

ここまで解説した通り、毛穴が詰まるのは「皮脂が出すぎていること」と「ターンオーバーの乱れによる角質肥厚」が同時に起きているからです。

詰まりのない毛穴へ導くためには、以下の「2つのアプローチ」が改善の鍵となります。

1.古い角質を溜め込まない

角質をため込まないための3つの工程

  1. 落とす:摩擦ゼロの優しい洗顔 
  2. 整える:ふき取り化粧水や酵素洗顔 
  3. 満たす:徹底した保湿でバリア機能の回復

「落とす→整える→満たす」の手順で厚く硬くなってしまった角質(角質肥厚)を優しく整えていきましょう。

無理に剥ぎ取るのではなく、肌のターンオーバーを「正常なサイクルに戻してあげる」という意識が大切です。

2.皮脂の過剰分泌にブレーキをかける

インナードライを防ぐために水分をたっぷり補給し、「肌を安心させること」と、「ターンオーバーのサイクルを正常化すること」が最も重要です。 同時に、食事や睡眠などのインナーケアで、皮脂線を刺激するホルモンバランスを整えていきます。

つまり、毛穴詰まりの改善とは、詰まった角栓を力任せに「抜く」ことではなく、「皮脂の量」と「角質の生まれ変わり(ターンオーバー)」のバランスを正常に整えることなのです。

まとめ

毛穴の詰まりは「皮脂の過剰分泌」と「角質肥厚」という、お肌の構造的な乱れが重なって起こる現象です。そのため、適切なスキンケアアイテムを選んで正しい方法でお手入れを続けることや、規則正しい生活習慣で皮脂をコントロールすることが、美しい肌を保つための大原則となります。

しかし、すでに硬くなってしまった角栓は、日々のクレンジングや洗顔だけで改善するのは困難です。

無理に取り除こうとすると、かえって肌を傷つけたり、症状が悪化する原因にもなりかねません。「色々試したけれど、どうしても毛穴が詰まる…」とお悩みの方は、専門医に肌を診てもらうことから始めてみませんか?

毛穴の詰まりに関するよくあるQ&A

Q1. オイルクレンジングを使えば角栓は溶けてなくなりますか?

A.完全になくすのは難しいです。オイルクレンジングは角栓の約30%を占める「皮脂(油分)」をなじませるのには有効ですが、残りの70%は「タンパク質(角質)」です。タンパク質は油に溶けないため、オイルケアだけで頑固な角栓をすべて溶かしきることはできません。

Q2. 洗顔を1日3回以上に増やせば、毛穴詰まりは予防できますか?

A.反対に悪化してしまう可能性が高いです。洗いすぎは肌に必要な潤いまで奪ってしまい、インナードライ(乾燥)状態に陥ります。すると肌は守ろうとして、皮脂を過剰に分泌させてしまい、詰まりやすい環境を作ってしまいます。洗顔は朝と夜の1日2回程度に留め、泡で優しく洗うのが基本です。

Q3. 角栓が黒ずんで見えるのはなぜですか?

A.毛穴に詰まった角栓の「頭(先端)」の部分が、空気に触れて酸化したこと、そして周囲の汚れや産毛が混ざり合ったことが原因です。イチゴのように黒くポツポツ見えるのは汚れではなく、酸化した角栓や、それによって生じた色素沈着(影)によるものです。

Q4. 1回綺麗になった毛穴が、すぐにまた詰まってしまうのはなぜですか?

A.毛穴の「形」と「肌の代謝」が元に戻っていないからです。詰まりを取り除いても、過剰な皮脂分泌やターンオーバーの乱れ(角質肥厚)という根本原因が続いている限り、数日から1週間ほどで再び角栓が形成されてしまいます。根本から詰まりにくくする「肌質改善」が必要です。

Q5. 食べ物で「これを食べると毛穴が詰まりやすくなる」というものはありますか?

A.糖質(チョコレートやケーキ、パンなど)や脂質(揚げ物やスナック菓子など)は、皮脂の分泌を高めるため詰まりの原因になりやすいです。また、アルコールやカフェインの過剰摂取も皮脂腺を刺激します。毛穴ケアのためには、皮脂分泌をコントロールするビタミンB2やB6(豚肉、レバー、納豆など)を積極的に摂るのがおすすめです。