広尾プライム皮膚科
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「毎日ケアしているのに…」そのニキビ跡がセルフケアで良くならない根本的な理由を解説

「人気のスキンケア用品を使っても、デコボコが全然変わらない」 「SNSで話題のコスメも試したけれど、変化を感じられない」

そんな経験はありませんか?毎日欠かさず丁寧なスキンケアを続けているのに、一向に変化が見えないと、がっかりしてしまうかもしれません。しかし、ニキビ跡(特にクレーター)がスキンケアで変わらないのは、あなたの努力不足ではなく、化粧品では成分を届かせられない、肌の深い部分に原因があるからなのです。

今回は、なぜ「塗るケア」だけでは限界があるのか、その理由を3つのポイントで詳しく解説します。

監修医師:谷 祐子先生(広尾プライム皮膚科 院長 形成外科専門医)

スキンケアが届くのは「お肌の表面」だけ

普段のスキンケアのように外側からお手入れできる場所には、お肌の構造上『届かない領域』が存在します。

一般的な化粧品の設計において、成分が浸透するのはお肌の”角質層”までとされています。この部分は、例えるならキッチンで使うラップ1枚分ほどの薄い膜にすぎません。

クレーターの原因はもっと「深い土台」にある

対して、ニキビ跡の凹み、いわゆるクレーターの原因があるのは、そのずっと下にある「お肌の土台となる層」です。ここは表面を支える厚みのある層で、クレーターの場合ここに問題が起きています。

どれだけ表面からお手入れしても、お肌の土台まで届かせることは物理的に難しいので、スキンケアでクレーターの原因にアプローチすることは非常に困難なのです。

「生まれ変わりのサイクル」の違い

お肌の表面には、約1ヶ月で新しい細胞に入れ替わるサイクル(ターンオーバー)があります。赤みや軽いシミのような跡であれば、このサイクルに乗って徐々に薄くなることが期待できます。

しかし、お肌の深い土台部分は、この表面のサイクルでは新しくなりません。

  • 肌表面: 1ヶ月で入れ替わる(セルフケアの効果が出やすい)
  • 肌の土台: 数年単位でしか入れ替わらない、あるいは壊れたまま固定される

つまり、土台そのものが壊れてしまったクレーター肌の場合、表面のサイクルをどれだけ早めても、凹んでいる「形」そのものを変えることはできないのです。

まとめ

もしあなたが、「毎日これだけ頑張っているのに、どうして綺麗にならないんだろう」と悩んでいるなら、まずは「届かない場所のことで悩んでいたんだ」と理解して、自分を許してあげてください。

スキンケアは、今あるお肌を健やかに保ち、これ以上の悪化を防ぐために非常に重要です。しかし、すでに固定されてしまった深い凹凸に関しては、アプローチする「深さ」を切り替える必要があります。

クレーター上のニキビ跡にお悩みの場合、セルフケアで改善することは非常に困難です。
医師に相談の上、治療を検討するのが一番の近道です。

スキンケアの限界に関するQ&A

Q1. 高価な美顔器なら、お肌の土台まで成分を届けられますか? 

A.家庭用の美顔器は、あくまで安全性の範囲内での出力に抑えられています。 多少の浸透を助ける機能はあるものの、クレーターのひきつれを解いたり、土台を劇的に作り替えたりするほどのパワーはなく、医療機器・医薬品とは根本的に異なります。

Q2. ピーリングを毎日続ければ、いつか平らになりますか? 

A.ピーリングは表面の古い角質を剥がすケアです。やりすぎるとお肌のバリア機能が壊れ、かえって炎症を招いたり、お肌を硬くして凹凸を目立たせてしまうリスクがあります。

Q3. 導入美容液(ブースター)を使ってもダメですか? 

A.導入液は、あくまで肌表面への浸透を良くするためのものです。深い部分にあるクレーターの原因まで成分を運んでくれるものではありません。

Q4. レチノールなどは深い層に効くと聞きましたが?

A.レチノールは非常に優れた成分ですが、化粧品に含まれる濃度では、主に表面のハリを整える効果に留まります。深い凹みを押し上げるほどの組織変化を起こすには、医療機関での処方や治療が必要になることが多いです。

Q5. では、スキンケアは全く意味がないのでしょうか? 

A.残念ながら、できてしまったクレーターに対しては難しいと言わざるを得ません。しかし、これからできるニキビを防ぐため、また、専門的な治療を受ける際にお肌の状態を整えて効果を高めるためにも、正しい保湿やUVケアは全ての美肌の基礎となります。