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そばかすと炎症後色素沈着の特長|見分け方と正しいケア・治療法

鏡を見るたび気になる、茶色いポツポツ。「これって昔からあるそばかす?それともニキビ跡が残ったもの?」と悩んでいませんか。

実は「そばかす」と「炎症後色素沈着」は同じような部位にできると見分けがつきにくいものの、原因もケアの方向性も大きく異なります。
自己流でケアをしてしまうと、かえって悪化させてしまうことも。

この記事では、両者の違いや見分け方、セルフケアのポイントについて解説します。

監修医師:谷 祐子先生(広尾プライム皮膚科 院長 形成外科専門医)

そばかすとは?

そばかすは、遺伝的な体質によって現れる小さな茶褐色の色素斑です。特に鼻や頬の中央部に左右対称に多発するのが特徴で、直径1〜4mm程度の点状斑として現れます。

紫外線の影響を受けやすく、夏に濃く・冬に薄くなる季節変動がみられる点も代表的です。かゆみや痛みは伴わず、健康上の問題はありませんが、見た目の印象から気になる方が多い皮膚の特徴です。

原因:遺伝的素因 + 紫外線

そばかすができるかどうかは、遺伝的な体質が大きく影響します。
しかし、そのそばかすが濃くなったり、数が増えたりする最大の引き金は「
紫外線」です。
紫外線を浴びることでメラノサイトが活性化し、そばかすの色が濃く目立つようになります。

正しい対策とケア

そばかすのケアは、「これ以上濃くしない・増やさない」ことが基本になります。

  • 徹底した紫外線対策:最も重要なケアです。季節や天候を問わず、毎日日焼け止め(SPF30・PA+++以上推奨)を塗りましょう。帽子や日傘の活用も有効的です。
  • 美白化粧品の活用:ビタミンC誘導体やアルブチン、コウジ酸などが配合された美白化粧品は、メラニンの生成を抑え、そばかすが濃くなるのを防ぐ効果が期待できます。
  • 医師への相談:セルフケアでの改善が難しい場合は、美容皮膚科でのレーザー治療やフォトフェイシャルなども選択肢になります。

【シミの種類を特定】もう迷わない!タイプ別の原因と正しい対策

炎症後色素沈着とは?

炎症後色素沈着は、ニキビ・虫刺され・かぶれ・やけど・外傷などで皮膚に炎症が起きた後、その部分に茶色〜灰褐色の色素斑が残る状態を指します。

炎症で活性化したメラノサイトがメラニンを過剰に産生することが原因で、特に色白〜中間肌タイプの方では茶色、色黒肌タイプの方では濃い灰褐色や紫褐色として現れることがあります。

症状は炎症が起きた部位に一致して出現するのが特徴で、そばかすのように左右対称に散らばることはありません。
時間の経過とともに自然に薄くなることもありますが、数ヶ月〜1年以上残るケースもあります。

原因:肌の“炎症”による色素沈着

ニキビ、虫刺され、かぶれ、カミソリ負け、過度な摩擦など、肌に炎症が起こると、肌を守ろうとしてメラニンが過剰に生成されます。
通常、このメラニンは肌のターンオーバー(生まれ変わり)によって排出されますが、炎症が長引いたり、ターンオーバーが乱れたりすると、排出されずに肌に残り、シミとなってしまうのです。

症状を悪化させるNG習慣

  • ニキビや吹き出物を潰す・触る
  • 洗顔やタオルで肌をゴシゴシ擦る
  • 虫刺されなどを掻きむしる
  • 刺激の強いスキンケアを多用する

これらの行為は炎症を悪化させ、色素沈着を濃く、長引かせる原因になります。

正しい対策とケア

炎症後色素沈着のケアは、「肌のターンオーバーを正常化させること」が鍵となります。

  • 徹底した保湿でバリア機能をサポート
    肌が乾燥するとターンオーバーが乱れやすくなります。セラミドやヒアルロン酸などが配合されたアイテムでしっかり保湿し、肌の生まれ変わりを助けましょう。
  • 鎮静と美白を両立するスキンケア
    トラネキサム酸は炎症を抑えながらメラニンの生成を防ぐ働きがあり、色素沈着のケアに適しています。さらに、ビタミンC誘導体は肌のターンオーバーを整えて透明感をサポートする効果が期待できます。
  • とにかく刺激を与えない
    新しい炎症を作らないことが何よりの予防になります。肌に優しく触れることを常に意識しましょう。

まとめ

そばかすと炎症後色素沈着はよく顔に見られるシミの一種ですが、原因もケア方法も全く違うことをご理解いただけたかと思います。

  • そばかす:紫外線対策を徹底し、美白ケアで濃くなるのを防ぐ。
  • 炎症後色素沈着:刺激を避け、保湿を徹底して肌のターンオーバーを助ける。

大切なのは、ご自身のシミのタイプを正しく理解し、正しいケアを続けることです。
もし判断に迷う場合や、より確実な効果を求める場合は、一人で悩まず医師に相談することをおすすめします。

 

そばかすと炎症後色素沈着に関するQ&A

Q1: そばかすは完全に消すことができますか?

A.そばかすは遺伝的要因が大きく、セルフケアで完全に消し去ることは難しいとされています。
しかし、紫外線対策を徹底し、適切なスキンケアを行うことで、色を薄くしたり、新たな発生を抑制したりすることは可能です。
美容皮膚科でのレーザー治療なども選択肢の一つとなります。

Q2: 炎症後色素沈着はどのくらいの期間で薄くなりますか?

A.炎症の程度や個人のターンオーバーのサイクルによって異なりますが、一般的には数ヶ月から1年程度かかると言われています。
適切なケアと刺激を避けることで、回復を早めることが期待できます。

Q3: 2つのケアで、共通して気を付けるべきことは何ですか?

A.どちらのシミタイプにも共通して重要なのは、「徹底した紫外線対策」と「肌への摩擦を避けること」、そして「十分な保湿」です。
これらは肌のバリア機能を守り、シミの悪化や新たな発生を防ぐ基本となります。

Q4: 市販の美白化粧品はどちらにも効果がありますか?

A.はい、効果が期待できます。
ビタミンC誘導体、トラネキサム酸、アルブチンなどの美白有効成分は、メラニンの生成を抑えたり、排出を促したりします。
ただし、即効性があるわけではないため、継続して使用することが大切です。
肌に合うかパッチテストをしてから使用しましょう。

Q5: シミの種類が自分で判断できません。どうすれば良いですか?

A.自己判断が難しい場合は、美容治療を行っている医療機関の医師に相談することを強くおすすめします。
医師は正確な診断に基づき、あなたの肌質やシミのタイプに合った最適な治療法やケア方法を提案してくれます。