広尾プライム皮膚科
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【シミの種類を特定】もう迷わない!タイプ別原因と正しい対策

気づいたらシミができていた、という方は結構多いのではないでしょうか?

「このシミ、どう対策すればいいの?」と迷っているうちに、誤ったケアで悪化してしまうこともあります。

シミには紫外線が原因のもの、ホルモンバランスが影響するもの、炎症の跡が残るものなど、いくつかの種類があります。本記事では代表的なシミの特徴をわかりやすく解説し、日常生活で実践しやすい基本的なケアを紹介します。正しい知識を持つことが、肌を守るための第一歩となります。

監修医師:谷 祐子先生(広尾プライム皮膚科 院長 形成外科専門医)

代表的なシミの種類

老人性色素斑

主に紫外線が原因で、顔や手の甲、腕など、紫外線を浴びやすい部位にできる、境界がはっきりした茶色いシミです。
加齢とともに現れやすくなるため、この名がついています。

  • 原因となるNG習慣
    • 長期間にわたる紫外線対策不足
    • 強い日差しを浴びる機会が多い(スポーツ、レジャーなど)
  • 今日からできる対策
    • 徹底した紫外線対策:季節や天候を問わず、毎日日焼け止めを塗る習慣をつけましょう。
    • 美白有効成分の活用:ハイドロキノン、ビタミンC誘導体、トラネキサム酸などが配合された化粧品は、一般的に美白ケアに用いられています。継続的に使用することで改善が期待されます。

肝斑(かんぱん)

頬骨あたりに左右対称に現れる、もやっとした広範囲のシミです。妊娠・出産や経口避妊薬(ピル)の使用など、女性ホルモンの乱れが原因とされ、紫外線をはじめ摩擦や乾燥などの外部からの刺激によっても悪化します。

  • 原因となるNG習慣
    • 強い摩擦(洗顔時のゴシゴシ洗い、マッサージなど)
    • ホルモンバランスの乱れ
    • 刺激の強いスキンケア
  • 今日からできる対策
    • 摩擦を避ける:洗顔時はきめ細かな泡で優しく洗い、タオルでゴシゴシ拭くのはやめましょう。
    • 保湿を徹底:肌のバリア機能を高めることで、外部刺激から肌を守ります。
    • 内服薬の活用:トラネキサム酸やビタミンCの内服薬は、医療機関で処方してもらうことができます。
    • 紫外線対策:季節や天候を問わず、毎日日焼け止めを塗る習慣をつけましょう。

その他のシミの種類

そばかす(雀卵斑)

遺伝的要因が大きく、鼻を中心に散らばる小さな斑点です。
幼少期から現れ、紫外線を浴びると濃くなるため、若年から年間を通した紫外線ケアが欠かせません。

  • 原因となるNG習慣
    • 生活習慣の乱れ
    • 紫外線対策不足
  • 今日からできる対策:
    • 年間を通しての紫外線ケア:日焼け止めや帽子、日傘などを活用し、紫外線から肌を守りましょう。
    • 美白成分の活用:そばかすはもちろん、シミ全般のケアとして、ビタミンC誘導体配合の化粧品がおすすめです。ビタミンCには、シミの元となるメラニンの生成を抑える働きと、できてしまったメラニンを薄くする両方の働きが期待できます。

炎症後色素沈着

ニキビ跡や虫刺され、やけど、かぶれなど、肌の炎症がおさまった後でも残る茶色いシミです。
ターンオーバーが正常に行われれば自然と薄くなることが多いですが、刺激を与えると悪化しやすくなります。

  • 原因となるNG習慣
    • ニキビを潰すなどの行為
    • 炎症部位への強い摩擦
    • 炎症を放置する
  • 今日からできる対策
    • 肌への摩擦を避ける:炎症部位に刺激を与えないよう、優しく丁寧にスキンケアを行いましょう。
    • 保湿を徹底:肌のターンオーバーを正常に保つことで、メラニンの排出を助けます。
    • 抗炎症成分の活用:グリチルリチン酸などの抗炎症成分配合の化粧品もおすすめです。

シミ対策はここから!全タイプ共通の基本対策

どのタイプのシミであっても、基本となる対策は共通しています。日々の小さな習慣が、未来の肌を大きく変えるのです。

  • 徹底した紫外線対策
    • 季節や天候を問わず、毎日日焼け止めを塗る習慣をつけましょう。UVAは窓ガラスも透過するため、室内にいる時も油断は禁物です。
  • 十分な保湿
    • 肌が潤っていると、ターンオーバー(肌の生まれ変わり)が正常に働き、メラニンの排出を助けます。乾燥はシミを悪化させる原因にもなります。
  • 摩擦を避ける
    • 洗顔やスキンケア、メイクの際など、肌に強い摩擦を与えないように心がけましょう。摩擦はシミの悪化を招きます。
  • バランスの取れた食事と睡眠
    • ビタミンCやEを積極的に摂り、質の良い睡眠で肌の修復力を高めましょう。

まとめ

シミには複数の種類があり、原因やケアの方向性はそれぞれ異なります。大切なのは、自分の肌の状態を正しく理解し、焦らず継続してケアを行うことです。

セルフケアでの改善が難しい場合や、種類の判断に迷うときは、皮膚科や美容皮膚科で相談するのがおすすめです。

シミに関するQ&A

Q1. シミはセルフケアだけで完全に消すことができますか?

A.できたばかりの薄いシミや炎症後色素沈着は、薄くなる場合もありますが、完全に消えるとは限りません。
セルフケアはあくまで予防と改善であり、より確実な効果を求めるなら美容皮膚科での治療も選択肢となります。

Q2. 美白化粧品は、どのくらいの期間使えば効果が出ますか?

A.肌のターンオーバー(生まれ変わり)の周期が約28日(年齢により長くなる)であるため、効果を実感するには最低でも1ヶ月〜3ヶ月程度は継続して使用することが推奨されます。
すぐに効果が出なくても諦めず、根気強くケアを続けることが大切です。

Q3. 顔に複数の種類のシミが混在しているようです。どうケアすれば良いですか?

A.複数のシミが混在している場合、自己判断でのケアは難易度が高くなります。
例えば、肝斑があるのにレーザー治療を受けると悪化するケースもあります。
まずは紫外線対策や保湿といった基本的なケアを徹底し、一度専門医に相談して、どのシミから治療すべきか診断してもらうことをお勧めします。

Q4. 紫外線対策は、夏や晴れの日だけで十分ですか?

A.いいえ、紫外線は季節や天候に関わらず一年中降り注いでいます。
特にシミの原因となりやすいUVAは、雲や窓ガラスも透過する性質があるため、曇りの日や室内でも対策が必要です。
毎日のスキンケアの一環として、日焼け止めを塗る習慣をつけましょう。

Q5. 美容クリニックでは、どのようなシミ治療が受けられますか?

A.美容クリニックでは、シミの種類に応じてレーザー治療、光治療(IPL)、ケミカルピーリング、処方薬(内服薬・外用薬)など、様々な治療法が提案されます。
専門医が肌の状態を正確に診断し、最適な治療プランを立ててくれるため、肌の状態に応じて選択される治療法で、効果が期待できる場合があります